2016年07月03日

7月の予定

東海三県、特に愛知県民にとって衝撃であった宮地佑紀生氏の逮捕。
平日午後のワイド番組である『宮地佑紀生の聞いてみや〜ち』は、学生の頃によく行っていた本屋で必ずかかっている番組でした。
その本屋は今ではあまり見なくなってしまったような小さな個人経営の店。
所狭しと並べられた新品の本だけでなく、買い取った本が通路をはみ出し、上は天井までうず高く本が積まれているような店内。
カウンターから対角線上で一番遠い位置にラジカセが置かれており、カウンターから常に発生する古本の断面を削る研磨機の音に負けないような大音量でラジオ流すという、備え付けの音響機器を使用しないストロングスタイルの店でした。
ラジカセ周辺には、私が当時好きだったミステリがたくさん置いてあり、大音量による頭痛と戦いながら背表紙を見つめていたものです。
宮地佑紀生氏の名前を見るたびに、あの古本屋の雑然とした店内と独特の匂い、夏の日の帰り道と効きの悪い空調、客の方をまったく見ない店員のオバちゃん、ひたすら研磨するオッサン、エロコーナーで立ち読みをする背広組、氏の声を聞くと一瞬であの光景を思い出すのです。


さて、そんなおっさんの昔話から戻って現在2016年7月。今月の購入予定です。
といっても今月は特に無し。

気になる所では、28日PSVita『世界一長い5分間』。
開発をしているのは、スマホゲーでリリースした作品が多くのファンを獲得したというSYUPRO-DX(公式サイト)
スマホゲーからベタ移植は良くみるものの、もともとスマホゲー出身デベロッパーがコンシューマ専用新作を出すってのは相当珍しい事ではないでしょうか。
とりあえず既にリリースされている『奴は四天王の中で最も金持ち』と『彼女は最後にそう言った』をダウンロードしておいたので、肌に合うようだったら『世界一〜』の方も買ってみます。

今月はそんな感じで。


そういえば、先日リリースされたXBOX One『INSIDE』。
海外レビューで高評価が爆発していたのでプレイしてみましたが、このゲームで体験した事や心に湧いた感情を上手く言葉で表す事が出来ません。
ただ、このゲームを一言で表すならBizarreな作品ということだけ。
これからプレイしようという方はネタバレを避ける為に、絶対にプレイ動画等を見るべきでは無いし、リアルなフレンドでネタバレしてきたヤツはグーパンチして構いません。私が許可します。

ただ、ゲーム中浮かんだ言葉として、クリアした後に「どうすんだよコレ…」
途中に出てくるキャラを見て「汁男優」
という2つのワードがありました事をお伝えしておきます。


あと最後に音楽ネタ。

7月末にHospitalより発売されるKrakotaのファーストアルバム『Strange System』。


まだ全曲フルでは公開されていませんが、このアルバムミックスを聴いただけでヤバい事が明確であります。
特に、39秒からの『Carmine』
2分7秒からの『Turn of Fate』
4分2秒からの『Meridian』
ジョバジョバー。いろんな汁がジョバジョバー。
このようなクオリティのアルバムは年に数枚あるかないかというレベルなので、ドラムン好きはマストです。


Nosferatu & Neophyte - Daar zijn we weer!


オールドスクールなハードコアの中でも有名な曲、BodylotionのMellow Moenie Mauwe(コレね)のリミックスというか2016年版的な曲(そもそもNeophyteはBodylotion)。
またおっさんの昔話で申し訳ありませんが、私が中学生の頃。
avexが海外のレコード輸入だけでなくユーロビートや所属アーティストで一発当て始めた頃、海外の音源をコンピCDにしたものをジャンル毎にリリースしていました。
その中にハイスピードテクノやロッテルダムテクノ(今で言うガバはまだ一般的な名称ではなかったと思う)のコンピがあり、定期的に発売されるそれを欠かさず買ってました。
そのハイスピードテクノシリーズのどれかに入っていたのが、BodylotionのMellow Moenie Mauwe。音の太さに圧倒されて何度も何度も聴きました。めろむにまうあ、めろむにまうあ、めろむにまうあ、あわあわあわ。


最後はしっとりと、オランダ(またオランダかよっていう)のバンドTristanが先月末にリリースしたアルバム『Lifestyle』からの一曲。

Tristan - Admiration


基本的にはソウル・ジャズのバンドですが、KBの音などのフュージョン感と70's辺りなソウルの香りが共存しているかのような音楽。
フュージョンは一歩間違うとダサい音楽になりがち(私の偏見)な中、彼らのパワフルなセンスと様々なジャンル・世代のクロスオーバーによるグルーヴ感によって洗練された音楽になっている。
この一曲で虜になってしまい、過去のアルバムまで全て買ってしまいました。
過去3枚のアルバムを通しでずっと流し過ぎて、その他の新譜チェックが遅れる事態であります。
posted by murutori at 22:25| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月21日

XBOX One『ウィッチャー3 血塗られた美酒』

E3楽しかったですね。
ゼルダの新作、『Forza Horizon 3』、Insomniac製『Spider-Man』、久々の『God of War』新作、ついに出る『人喰いの大鷲トリコ』に、『Watch Dogs 2』『ABZU』など楽しそうなゲーム盛りだくさん。
あとバイオ7のBIOHA"Z"ARDとRESIDENT E"VIL"の部分にそれぞれ7(VII)が入っているのにはちょっと笑ってしまった。PS4で配信されている体験版をプレイしましたが、超怖くてイイっすね。

そしてPS陣営がここまでVR推しで来るとは。
ゲームの表現がハードの性能とは別次元で一段階あがる事に期待しつつも、私は結構3D酔いしやすい方なのでその辺りが気になります。


そんな中、XBOX One『ウィッチャー3』のDLC 血塗られた美酒をプレイしておりました。

そもそも本編の段階で2015年を代表する作品として超高評価をもらっているゲームな訳ですよ。
DLC1個めの『無情なる心』も高評価だった訳ですよ。
で、本作で最後のDLCであり、しかもゲームのウィッチャーシリーズが一旦終了とアナウンスされていた訳ですよ。
こんなに高いハードルあるか?って話ですよ。ホントに。
もう雲の上の見えない所にまでハードルが上がり切ってますよ。

いやぁしかし、そのハードルを超えてくるとはね。
『ウィッチャー3』の本編を作り上げた彼らなら、もしかするとやってくれるのではとは思っていたけれど、本当に期待以上の作品でした。

Witcher BaW 02.png

本編では格差と戦争と圧政などに加え、湿地帯や雪の残る山岳地帯など不毛とも言える陰鬱なロケーションが多かったが、今回はそんな世界とは正反対となる南部の街"トゥサン"。

ぶどうの名産地であるトゥサンは、ワイン作りが盛んな地域
豪華な城を中心に持つ城下町には色とりどりの建物が並び、道のあちこちには花々が咲き乱れ、街の中心では人が歌いワインに酔い、華やかな衣服を纏う貴族と国家の威信と尊敬を表すかのように磨き上げられた鎧を着た衛兵達が行き交う。
一歩中心地から足を伸ばせば、広がる緑の大地に、並んで綺麗な実をつけるぶどう畑、抜けるような青空の下を穏やかに流れる小川と、村の娘がぶどうを踏む素足。

何もかもが美しいロケーションの中で起きる陰惨な連続殺人事件を追う事が本DLCのメインミッション。
詳細はネタバレになるので書きませんが、素晴らしい物語でした。
DLCも本編と同様にマルチエンディングを採用していて、3パターンの終わり方があり、それぞれ違う結末が用意されている。
人の想いが交錯した過去の出来事、遺恨による事件の真相。それから分岐する3パターンはまるで、ワインが年月を経て熟成したかのようであり、ヒビの入ったコルクによって酸化したようでもあり、ちょっとした不注意でボトルを落としてしまったようでもあり。
どのルートを通っても味わい深い物語が展開される。
例え悲しい結末で終わってしまっても、丁寧に作られたイベントシーンには、トゥサンの街に咲き誇るそれぞれの花が彩りを添えてくれる。それは喜びの際にも、悲しみの席にも花が使われるように。

Witcher BaW 01.png

しかしながら、本編では娘同様である少女シリラを探し出し、彼女を狙う敵勢力ワイルドハントとの死闘を描いた壮大な物語であったのに、DLCでは田舎で起きた殺人事件。
これを最後のシメに持ってきて果たして大丈夫なのかと思ったが、ルートによってはアクロバティックな展開を見せる物語にただただ圧倒された。
しかも事件解決後、エピローグでの見せ方が出色の出来。
主人公のゲラルトさんにこんな心情を吐露されたら、お疲れ様でしたとしか言いようが無い。

しかも、ウィッチャーという職業(ある意味種族とも言えるが)をプレイヤーとして一緒に体験し、深く彼らの考え方や振る舞いを理解したからこそ、プレイヤーにとって最高の1カットとなるシーンが用意されている。
これは、主人公は無口ではなく喋るタイプでありながら、複数エンディングや途中の分岐が大量に用意された本作。それでもウィッチャーの性質として、幼いころから戦いに特化した訓練と霊薬によって感情の起伏が少ない物へと変異させる(戦闘では常に平常心を求められる為)という設定がゲーム的に生きており、その空白の部分にプレイヤーの感情が入り込む構造になっている。
そんなウィッチャーとしてプレイヤーと共に歩んできた道のりに終わりを告げるかのように、ラストの1カットでその繋がりがスッと消える演出となっている。
もうね、除霊されたみたいなもんですよ。満面の笑みを浮かべつつも涙を浮かべながら離れていく感覚。
徹頭徹尾完璧です。

このゲームで出会った面々。ゲラルトさんやシリラはもちろんの事、ナレーションからジャーナルの全てを担当していたダンディリオン先生、なんだかんだあった女性達に、ケィアモルヘンで共に戦った仲間達、DLCでの一癖のある人々など、いつまでも私の中のHall of Fameとして輝き続ける事でしょう。
『ウィッチャー3』最高のゲームでした。
posted by murutori at 00:02| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月03日

6月の予定

近所のコンビニにたぶん最近入ったであろう店員さんが、DJみそしるとMCごはんにめっちゃ似てるんだけど、たぶんそんな人は全国で100人ぐらいいそうだなっていつも思ってます。

そんな6月の予定。
とは言いましても、完全に積みゲーが溜まったままなので、今月は特に無し。
SF版アクアノートの休日的楽しみ方が出来そうな『No Man's Sky』が今月で楽しみにしていたのに、8月に延期してしまったし。
9日発売の『MIRROR’S EDGE CATALYST』は評判が良ければプレイしてみたいけど、前作と同じようなぼんやりしたゲームなら別にいいかなぁという。

で、5月中ずっとプレイして、積みゲーが溜まる原因である『ウィッチャー3』。
DLCをプレイする為、また1周目とは違うエンディングを見る為に始めた2周目なのでサラリと終わるつもりが、1周目よりも時間をかけてプレイしているっていうね。
登場人物や固有名詞が多いので、ある程度把握している方が物語を理解しやすいってのもあり、2周目の方がよりゲームの世界に入り込んでいる感じ。
しかし、1周目でも結構プレイしたはずなのにまだまだ見てないイベントや行ってない場所が山ほどあって恐ろしい。

しかも先日配信開始されたDLC『血塗られた美酒』と共に大型のパッチがあたり、UIが以前とは大幅に変化。
もう一度画面のチュートリアルが入る程に変更・調整され見やすい物(そもそもそれほど悪いUIでは無かったのに)へと発売から1年経った後に改善されたりと、完全にどうかしている人達が作っているウィッチャーの世界へもうしばらくのあいだ浸ります。
ここ最近はRPGで2周目を遊ぶ事も滅多に無くなった中、ここまでゲームシステムだけでなく物語にまでハマったRPGって本当に久々かもしれない。

ただ、現在ドラマの『ハウス・オブ・カード』と『ザ・ソプラノズ』もちょこちょこ見ていて、こちらはかたや政治家、かたやマフィアとまぁ似たようなもんですけど、どちらもおっさんが主人公。ゲームの『ウィッチャー3』とあわせてずっとおっさんを見続けているのが若干アレなんですけれども。ゲームやドラマ後に風呂入って鏡見るとまたおっさん。もうおっさんばっかりだよ。


最後にちょろっと音楽ネタ。

Srav3R - Kamuy


日本の若手トラックメイカーSrav3R氏の初のCDリリースEP『Kamuy EP』からの表題曲。
ジャンルとしてはUKハードコアなのだろうけど、上に乗っかっている物がFuture Bass的なアプローチでかなりおもしろい曲。EPにはaran氏やDJ Noriken氏がこの曲を真っ当でカッコイイUKハードコアにリミックスしている中、そこはそれとして原曲での絶妙なキックの抜きとか超気持ち良い。

同EPに収録されている『Reversal』も好き。
Srav3R - Reversal


こちらのEPは4月に行われたM3で販売の後、通販でしか手に入らないCDでしたが、先月25日より配信サイト(AmazonとかiTunes)でも販売が開始されたので、興味があれば是非。
Srav3R氏は今後の活躍を期待するトラックメイカーの一人として注目していきたい。


次に、Hospitalからリリースされたブラジル出身のアーティストで作られたEP『The Future Sound of Brazil』(流れでLondonって打ちそうになる)から。

Urbandawn & Bungle - Sacred Floor


以前、UrbandawnのNeon Nights(コレ)がイイねって話をしましたが、やっぱ彼はやってくれますね。
Liquidを通り越してPurgeされて灰になるっつーか。


もう一つ最後に、ちょっと前の曲を。
Cola Splash - Bacon Buster


特に自分から聴こうとはしないんだけど、ランダム再生でこれがかかると中盤Amenからのドラムンパートで毎回結構テンションが上がるっていう、何かの拍子にかかって欲しい曲。
posted by murutori at 00:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月21日

PS4『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝(Uncharted 4: A Thief's End)』

PS4『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝(Uncharted 4: A Thief's End)』
他のゲームも同時進行していたので毎日少しずつ進めて行こうかな、なんて思いつつ起動したら最後。ガッツリとのめり込む程に連日プレイして、そのままクリアしてしまった。

シリーズでは2以降とんでもないクオリティで作られているので、今回もグラフィックの素晴らしさやモーションの細かさ、ダイナミックなシーンの連続など相当にこだわって作ってあるだろうとは思っていた。
ところがまぁその想像を軽く越え、異常とも言える程の作りこみ。

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しかしそんな技術的な凄さは一先ず置いておいて、シリーズ最終作となる本作で私が一番楽しみにしていた点は、ゲームプレイの部分よりも主人公であるネイサン・ドレイク(ネイト)をどういった人物に描くのかという点。

これは過去に何度も書いているが、ハード機能の向上に加えジャンルではシューターがメインストリームの一つとなった時期の辺りからグラフィックや演出がかなり映画的(月並かつマイナスイメージのある例えだが)になり、背景は細かく描画され、登場するキャラクタの造形だけではなく表情なども描かれるようになる。
ところが、それだけリアルな映像に近づいてくると、今まで通りのゲーム的な表現の部分が違和感として映ってしまうようになった。

その違和感として一番大きかったのが戦闘部分。
ファミコンの頃のように、敵を倒したらただ点滅したり弾けて死ぬだけの表現ならまだしもザコ敵すらリアルに描かれるようになった今、キャラクタとゲーム部分の分断が問題になって来た。

近年ではその隙間を埋める試みとして、アドベンチャーゲームへの回帰や、ダークヒーロー的なキャラクタの増加、殺人を許容せざるをえないシチュエーション作りだけでなく、プレイヤーに語りかける物(メタ的な)など様々な方法でキャラクタをゲームに落としこむ方法が模索されている。
2013年にリブートした『トゥームレイダー』では、ゲーム序盤にただの一般女性であった主人公ララ・クロフトが正当防衛で人を殺してしまった後、その行為に戸惑いと後悔を見せるシーンがあった。
しかし、そのシーンの後にプレイヤーへと操作は託され、他シューター作品同様にひたすら敵を殺してしまうキャラクタになってしまっており、一線を越えたら急に吹っ切れたヤバイ人物として見えてしまうなど、なかなか上手く機能していない作品もあった。

で、アンチャーテッドシリーズのネイトも所有者(地権者)の許可無くあるか無いかもわからない財宝を探しに行くただの盗人でありながら、その各地で同じく財宝を狙う敵対組織と出会い、一応正当防衛的な流れではあるのもの、毎回ザコ敵数百人を射殺しながらもカットシーンでは冷酷な判断に躊躇いを見せ、基本は善人であるという、他のAAAタイトルと比べても物語の目的(動機)と殺人行為のバランスがまったく取れていない相当アレなキャラクタとして描かれてきた。
その異常性に国内での反応はどうか知らないが、海外ではしばしばネタにされる程のキャラクタとなっている。
一応本シリーズでは『アンチャーテッド2』において、その行為に若干触れようとしたものの、『アンチャーテッド3』ではそこいらの話はふっ飛ばしてしまったのを見て、もうこのシリーズを続けるのは難しいだろうと思った程だった。

ただその後、開発元のNaughty Dogは『The Last of Us』で、ネイトというキャラクタが抱えている違和感に対する回答を用意して見せた。
荒廃した世界の中で生き残った人々が残された物資を奪い合うサバイバルをテーマしたシナリオと、ただの善人では無い主人公のキャラクタや、それに絡めたゲームザインなどを融合させた傑作を産み、深い人物像を描く事に成功する。

その『The Last of Us』の後に制作された本作『アンチャーテッド4』で主人公のネイトはどういったキャラクタの変化を見せるのか、もしかしたら極限での決断によってもう一歩悪へと染まる瞬間さえ描かれるのではないかと期待したのだけれども…。

まぁ…んー…。
本作でNaughty Dogが見せた答えというのは、今まで不在どころかその存在のかけらさえなく、ネイトも死んでいたと思っていた兄、サミュエル・ドレイク(サム)を登場させるという落とし方。

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前作の後、シリーズのヒロインであった女性エレナと結婚をし家庭を持ったネイトは、トレジャーハンターを廃業しカタギの仕事をしていた一方、兄はまだまだ現役のトレジャーハンター。
物語の主人公はもちろんネイトでありながらも、独り身では無い彼が無茶な物語の牽引役にはなれず。しかしながら、また冒険の旅に戻りたいという気持ちは抱きながらも、平穏な日常を自ら壊そうと思うほど現在の生活に不満があるわけでもない。
その打開策としてサムを登場させ、兄弟愛を強調する事で兄に従う弟として事件に巻き込まれる形(しかも兄は弟を連れ出す為に嘘までつく)になり、しかもサムがトラブルメーカーとしてわざとかき回す役割を与える事で無理やり物語を引っ張ってしまった。
一応ゲーム的には銃撃戦を減らしカットシーンを多めにするなど工夫は見られるが、結局の所ネイトはサムの誘いが呼び水となった形で物語に関与しているだけで、ザコ戦に関しても完全に物語と分離しており数百人殺してもそこはそれという徹底的な割り切りによって更に浅薄なキャラクタで終わっている。

シリーズの最後にネイトの業を落とし、より善人へと導く為だろうか、ある意味サムの存在自体がネイト自身の人格から切り離したようなキャラクタによって物語を作ってしまったのにはちょっと表現が強くなってしまうが、がっかりした。
まぁシリーズ通してB級アクション映画的なテイストなんて言われていたぐらいなので、シリーズとしては最後までポップコーンムービー的な物で統一するべきなのは分かる。そもそも娯楽作品に野暮なツッコミを入れるなと言われれば仰る通り。
それに、私ももう主人公が思い悩むゲームは勘弁してくれという気持ちがあるものの、事前のトレイラー(スタッフが変更される前の)だったり、ダークな雰囲気のパッケージデザインであったり、『The Last of Us』のスタッフが制作している事もあり、あまりにも大きな期待をかけすぎてしまったのかもしれない。

ただそれで駄作となった訳では決して無く、これはこれとして見どころのあるシナリオとして仕上げてあるのはさすが。
生き別れた兄との冒険である本作は、幼少期の回想部分も深くゲームに絡めて描いてあり、いかにネイトが兄を慕っていたかというのが丁寧に描かれているのは良い。
兄を頼らざるおえないゲーム的な仕掛けに始まり、失われた時間を埋めるかのように会話をし、兄に甘えるような一面を見せるネイトもおもしろいし、シリーズ中ずっと同じだったネイトの髪型は幼少時に憧れた兄の髪型であったりと小ネタ的な仕掛けも非常に上手い。
それに、エピローグまでカッチリと作りこみ、シリーズが閉じる事をちゃんとユーザーに伝える締め方は素晴らしかった。

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あと、ゲームシステムに関してはおそらく『The Last of Us』からの影響として、ゲームプレイに大きな緩急が付けてきたのは意外だった。
ひたすらピンチとアクションと銃撃戦と会話シーンがわんこそばのように連続して襲ってくる構成は、こちらも3作目において完全に行き詰まりを見せていた。
逆に『The Last of Us』は緊張と緩和が交互に構成されており、派手なアクションシーンが印象に残るのはもちろんのこと、主人公と少女が見た何気ないけれども美しい景色の数々とそこで交わされる会話は非常に心に残るものとなっている。

その見せ方は『アンチャーテッド4』にも生かされており、従来のシリーズではなかったほどに広いマップを用意し、戦闘だけはなく探索パートを追加しながらも、そういったシーンでは常にNPCを配置し会話が途切れないようにして、各キャラクタとの関係を深く描く構成になっている(兄弟の子供時代の回想も含めて)。
ただ、緊張感のあるシナリオだけでなくゲーム的にも一瞬の油断で即死する場面が多い『The Last of Us』と違い、極限状態からの緩和という程の高低差が無く、終始軽口を叩きながらやり取りをする作品なので、それほど効果的では無かったように思う。

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ステルス要素が強化されただけで相変わらず代わり映えのしない戦闘部分のシステムはイマイチだし、多すぎるクライミングはただただ退屈など不満点はあるものの、技術的には凄すぎてなんだかもうPS4末期に発売されるようなクオリティで、完全に他のゲームとは一線を画するレベルへと到達しており、確実に2016年を代表するゲームの一つなのでとりあえず触っておくべきゲームであります。
posted by murutori at 01:46| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする