2018年02月09日

PS4『Celeste』

PS4『Celeste』(以下ネタバレ有りです)
2Dプラットフォーマーの中で、心の病と戦う主人公をここまで真っ向から描いたストーリーは今まで見たことがない。(アクションゲームという枠では、2017年にリリースされた『Hellblade: Senua's Sacrifice』が話題になったが、そちらは未プレイです)

『Celeste』は、主人公の女性MadelineがCeleste Mountainという山を登り山頂を目指すゲーム。
Madelineはうつ病とパニック障害に悩まされた過去があり、現在は登山へ挑戦出来るようになるまでに症状が抑えられているが、今だに不安が残っている。
そんな彼女が登るCeleste Mountainは、人によって幽霊が見えたりするスピリチュアルな山であり、その山で彼女は自己の内面と対話する事となる。
というのが本作のストーリー。

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ゲームとしては、『Super Meat Boy』のような死にまくるプラットフォーマーであるが、上記のようなシナリオとあわせて、何度も失敗しながらも困難に立ち向かう事が病気との戦いを表している。
そのゲームとシナリオの融合具合、端的に言えばナラティブなのだが、それこそが本作の最も優れた部分であろう。


ゲーム序盤、彼女は山の中で鏡を発見すると、突然その鏡から自分に似た一人の女性が飛び出して来る。
飛び出した女性は自分が最も嫌う部分、それは恐怖や不安、無力感や羞恥心など、一歩前へ進む時に足かせとなる自己のネガティヴな感情の固まりであり、飛び出した彼女はこの山に登る事がいかに危険であり、今まで何も成し遂げていないようなお前は今すぐに帰宅するべきだ、とMadelineの心を折ろうと何度も何度も忠告する。

自分を変えたいと思って登山を決意したMadelineは、そんな自己の一部であるネガティヴな感情が自身の意思とは関係なく襲い掛かってくる度に抑え込もうとするが、あらゆる感情や意図しない体の反応への対処と同じように、それを否定すればするほどその感情・反応に囚われて悪化してしまう様がゲームでも描かれる。

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そんな彼女が登山の途中で出会うTheo(彼はまた彼女とは正反対の外交的な人間であるものの、SNS中毒者であり彼女とは別の病理に囚われているが、そこは今回割愛)の協力を得ながら、また彼との対話や山登りの中で自身の感情との向き合い方を見つけていく。


このゲームで見せ場となるシーンが、そのネガティヴな感情との戦い。
彼女はネガティヴな感情を否定し抑え込むのではなく、恐怖や不安は自分を守る為の防御反応の一つであり、その感情と共存する事こそがこの山を登りきる為に必須であり、また今後の人生にとって大切であると気付く。
Madelineがネガティヴな感情を取り込もうとすればするほど、主導権を奪われる事を嫌い逃げる相手とのチェイスシーン。
そこではゲーム中で最も困難なチャレンジが待っており、そこまでに培ったテクニックを総動員してクリアしなければならない。

ここでのステージが本作の最も特徴的な部分であるが、近年のナラティブなゲームに見られる、佳境となる場面で意図的に難易度を下げるなど、リトライが増えてしまってシーンがバラバラになり、プレイヤーが萎えてしまわないようにするといった配慮は一切されていない。
それとはまったく逆のアプローチで、これまでのステージよりもあえて難易度を高く設定し、何度も何度も、本当に何度も何度も何度も何度も繰り返し失敗するぐらいに難しくなっている。
しかしその、一進一退を繰り返しつつも決して諦めない道のりこそがまさにこの病気との戦いを表している。

昨日は上手くいった事が今日出来なくなる。もう起きないと思っていた発作がまた起きてしまう。ついさっきまで上機嫌だったのに、ほんの小さなトリガーにより感情が変化してしまう。
そんな脳のエラーは何かのきっかけでスッキリと治るものではなく、例え失敗したとしても一歩一歩少しずつでも前に進み、認知を修正していく事が大切になる。

恐怖や不安を忌避するのではなく真っ向から対峙する時、それはある種の病にかかってしまった人達だけでなく、誰もが人生において何度も遭遇・直面する普遍的な出来事であり、自己との戦いのシーンで私はMadelineとシンクロし、目に涙を溜めながらプレイした。

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もちろん2Dプラットフォーマーのゲーム部分の完成度は高く、面によって新たに登場するフィーチャーの楽しさ、パズル的な部分も達成感と難易度のバランスが絶妙。
しかもゲーム内では、彼女がパニック発作を起こすシーンがあり、それがあまりにもリアル過ぎて関係者の中に実際に体験した人が居るのではと思える程にリアルなのだが、そのシーンでおそらくゲームで初めてであろう、発作が起きた時の呼吸法を促すミニゲームが発生する。
そういったシーンが挿入される部分も、意図的に難しい場面の前に深呼吸のシーンを入れる事でゲーム的な緩急を付けていたり、細部に至るまでゲームプレイとシナリオが融合している。


本作が扱うテーマは非常にデリケートであり、描き方によっては危うい場合もあるだろうし、先鋭的過ぎるとターゲットが狭くなりすぎる可能性があるが、それのどれにも陥る事なく、一番大切な事は躓き転び立ち上がる時に学ぶのだというメッセージを見事に2Dプラットフォーマーの性質を利用し融合させ、誰も上り詰めた事の無い到達点に達している。
現時点で2018年ベストゲームだし、おそらく今年を代表する一本になるではないでしょうか。それぐらい素晴らしい体験をさせてもらいました。
posted by murutori at 22:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

2月の予定

AmazonプライムにHBO作品が入るそうで。
直近では『ザ・ソプラノズ』を見る為だけに入っていたHuluは、HBO含め面白そうな独占タイトルが入るかなという期待感のみで解約していなかったけれど、もう切ってもいいかな。
前にHuluで見てた『ゲーム・オブ・スローンズ』はシーズン1はまだ良かったものの、2以降からキャラの相関関係がごっちゃになってきて結局脱落しちゃったんだよね。
この機会にもう一回挑戦してみるか。でも、ポンコツ頭には楽しめないドラマなんすかねぇ。

そんな2月の購入予定。
13日
PS4『Owlboy』
既にPC版は発売され好評を博している2Dアクションゲーム。
先月は『Iconoclasts』と、絵のキレイな2Dゲーが続けてリリースされてうれしいですね。

購入予定はこの1本。
あと毎月、発売予定表を見ながら各タイトルの公式サイトやトレーラーを見たりしている中、今月の『ドラゴンボール ファイターズ』は映像見ててスゲーって声出る程感心した。アニメのような映像から流れるように対戦に入る所は最近の『ギルティギア』っぽいなと思ってたら、そのアークシステムワークスが制作だそうで。
アラフォーのクセにドラゴンボールに興味が無いので買うまでには至らないけれど、ファンの人にはたまらないゲームなんじゃないですかね。

あとPS4/PSVita『聖剣伝説2』は、元のSFC版は当時好きでよく遊んでおりましたが、プレイする動機の大部分はBGMを聴くためで、ゲームとしては別にアレな感じな作品なので今更やろうという気持ちになれず。リメイクは敵倒した時の「バチーン」って音も無いのね。

プレイ予定としては、今月から来月頭にかけてどこかのタイミングで、『ダークソウル2』と『Celeste』をやろうかなと。
どちらもたくさん死ぬゲームで連続プレイはストレスが溜まりすぎるので、バランスを見てプレイしたい。


最後に最近遊んだゲームの話
PS4『戦場のヴァルキュリア リマスター』
オルタナティブなシミュレーションRPGを目指す方向で作られているので、既存とは違う要素ばかりで最初は戸惑ったものの、これはなかなか凄いゲームですね(PS3で出てたゲームを今更ほめるっていう)。

敵の行動範囲も射程も明確には表示されず、ブリーフィングの段階での情報の少なさなど意図的に不確定な要素を多くして、シミュレーションの持つ詰将棋感をトコトン無くそうとしているのはおもしろい。
また敵兵には聴覚が存在していない(視界外ならどんな近距離の銃声でも聞き流す)など思い切った調整で意図的に穴を用意してあるので、シミュレーション初心者にも相当遊びやすい作りに。

ただその穴が大きすぎるのか、多くのマップで勝利条件が敵の拠点の確保という、拠点内に居る敵兵を排除して旗を掲げたら勝ちってルールに加えて、各兵の行動が一回ずつではなく各陣営に与えられた行動回数だけ同じ兵が何回でも移動出来る(将棋で初っ端から歩を連続で動かして相手の歩を取るみたいな動きが出来る)システムのおかげでかなり雑な調整。
しかもプレイヤーが各キャラクタにバフをかける"オーダー"が超強くて、中盤以降は長距離を歩けて射撃の腕もある偵察兵のアリシアさん(本作のヒロイン)に防御系のバフをかけて、降り注ぐ銃弾の雨をものともせず敵陣営に特攻させるって戦法が有効すぎて笑った。
大体初見のマップでこの特攻を1・2ターンやって成功すれば勝利、ダメだったらじっくり攻めるプレイという雑な遊び方をしてしまったが、これで良かったのだろうか。

ストーリーの面も、どこかで見たことがあるような性格のキャラクタばかりだが、そこはそれとして面白い奴らだったし、久々に一人称を「あたい」と称する元酒場の歌手の突撃兵とか一周回ってカッコよかった。
あと、エンディング後に登場人物のその後の人生がさらりと数行で描かれるアレ。私、大好物です。

3月にPS4『戦場のヴァルキュリア4』が出るので楽しみにしておきます。いやー良いゲームでした。
posted by murutori at 20:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月23日

でろりん

なんとなく始めた『デッドライジング4』がそこはかとなくつまらないという困ったゲームなのですがそんな事は置いといて、Netflixで配信されている『デビルマン Cry Baby』がスゲーおもしろかった。

デビルマンといっても原作のマンガも読んだ事無く、昔アニメの再放送を夕方にチラリと見かけたぐらいで主題歌だけは知っている程度の私でしたが、見始めたら止まらなくて一気に見た。
特にネトフリ制作は連続視聴させる事に異常な程に執着を見せるのがたまに鼻につくなか、これはまんまとやられた。
終盤の主人公含むデビルマン側と悪魔を根絶やしにしようとする人間達、そして最終決戦、それぞれの熱量にやられて最後の2話は口半開きのまま見ていたと思う。つーか今週から私の皮膚の色はちょっと青緑っぽく変色してる。ちょっとだけね。

おそらく本作のメインターゲットは海外で、当たり前のように存在している同性愛キャラクタの表現が入っていたり、ラップ少年が頻繁に登場、絵も私の知っているデビルマンと違ってあっさり目。
そして、あえてサブタイトルを付けたぐらいに泣く表現が肝となっていたりと原作未読でもわかるぐらいにオリジナル要素があるっぽいので、この熱が冷めぬまま原作版を買おうと思ったら、電書版はebookjapanでしか配信されていないようで。漫画は全然読まないので入れてなかったけれど、この機会にアプリ入れるかな―。


PS4『ダークソウル3』
一応クリアしてスタッフロールを見た所まで。
直前に全体的にゲームスピードが早い『仁王』をやっていたせいなのかわからないが、本作は敵の攻撃スピードが遅く、ボスを含めた大体の敵の攻撃に対し「フハハハお前の攻撃なんぞ止まって見えるわい」ってな感じで、死にゲーではなかった。
攻撃の予備動作がデカい敵が多いし、終盤はディレイでズラす程度の事しかしてこないって調整にしてあるのは、さすがに3作目ともなると親切な作りになるものなのかしらね。

結局、死にゲーを2作続けてプレイした中で一番死んだというかリトライ回数が多かったのが、『仁王』の2面ボス"飛縁魔"かもしれん。
マジでコイツだけは苦手だった。20回はリトライしたかも。2ボスからここまで殺しに来るって『ファイナルファイト』のソドムかよと突っ込みつつも恐怖に震えたが、その後コイツ以上の強敵は居なかったっていう。『ダークソウル3』に至っては初見で殺せるボスも数体いたぐらい。つーか複数のザコに囲まれる方がヤバいよね。『ゴッドハンド』みたいに。

そんな『ダークソウル』は一作目が今度リマスター版が出るそうだし、その間までに2作目のリマスターもやっておこうかなと。やっぱ緊張感のあるゲームは楽しいっすね。疲れるから連続でプレイするジャンルではないけれど。


PS4『Aaero』
『Rez』にインスパイアされたゲームらしく、シューティング+音ゲーみたいな。
ゲーム部分に関しては、そもそも『Rez』ってゲームとして面白かった?という話であるので割愛。

で、音ゲーとして重要なBGMは、いわゆるEDM系などのベースミュージックとなっており、それもゲームオリジナルではなくFlux Pavilionから始まりThe PrototypesやNoisiaまで有名なアーティストばかり。
ただどうしてもベースミュージック自体が足が早い上に、余程のアンセムで無い限り中途半端に古い曲が一番ダサいってジャンルなので、どれもこれも聴いていると非常に辛いというか、そもそもこのアーティストでわざわざなんでこの曲を?っていうセンス。

そんなテンション上がらないままで最後となるラスボス戦のステージが、世界的大ヒット曲でもありゲーオタ諸氏にはPSP版『グランツーリスモ』のOPでお馴染みのNoisiaのStigma。
このステージのみゲームとしての演出を含め良かった。

Aaero - Stigma 5* (Normal)


今月のPSプラスのフリープレイになっているので、興味があれば是非。でも別にこの動画以上の事は起きないので、スルーでも良いと思います。
posted by murutori at 22:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする