2016年01月19日

XBOX One『Shovel Knight』

XBOX One『Shovel Knight』
いやぁ良いゲームだとは聞いていたけど、本当に良いゲームですね。
基本部分は近接武器のみの2Dアクションで、そのベース部分に『わんぱくダック夢冒険』のホッピングをプラスってな感じ。

プレイ開始した途端に、元ネタがわかる仕掛けがバンバン出てくるわ出てくるわ。
まるで脳内をシャベルでディグられるかのように、子供の頃にプレイしたゲームで見かけた仕掛けが次々と登場する。
音楽も最初のステージからコレ(https://youtu.be/wqAYMZSOQao)ですからね。熱すぎる。
その他のステージ曲もヴォーカルを乗せられるのではというぐらいにメロディアスなチップチューンばかりで、画も音もゲーム内容も全てが過去へのリスペクト。

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この手の2Dアクションゲームは難易度が高めな作品(その代わりに残機無限やリトライが早い等の調整)が多かった中、かなり簡単なゲームバランスになっているのも好感度が高い。
ステージ中は豊富なチェックポイントと、死ぬとお金を失うが死んだ場所に落とすので回収可能という軽いデスペナなのも遊びやすい。

まぁしかし、その辺りは良い評判を聞いていただけに想像が付いていた(それでも相当ハイクオリティなのだが)が、そんなただ古い物を組み合わせただけの物ではなく、ストーリーの見せ方は非常に上手く感心した。(以下ネタバレ有りです)

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物語は、伝説の騎士として活躍していたShovel KnightとShield Knightだったが、突然現れた塔によってShield Knightがさらわれてしまったので救出する旅に出るお話。

Shovel Knightはステージクリア後に必ず野宿をする場面があり、その中で幾度かShield Knightが空から降ってくる夢を見る。
落ちてくる彼女(Shield Knightは女性ね)を助けるという一連の場面は、昔のゲームによくあったいわばボーナスステージになっており、彼女を救出するまでに出現する雑魚敵を倒すと多くのお金が手に入る。

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そして上手いのが、このボーナスステージは物語の節目に何度か挿入されるだけの物ではなく、ちゃんと最後の演出に繋がっている。これが本当に見事で美しい。
夢ではもう少し手を伸ばせば助けられると思った瞬間に目が覚めてしまい、救出する事が出来ない。そんな失敗を何度もプレイヤーに体験させ下地を作っておいたからこそ、ゲームで最もヤマ場となるシーン、正夢となった光景が目の前に現れるその間、ゲームから指示されるのではなく自発的に必ず助けたいと思わせる、その瞬間こそがShovel Knightとの気持ちが重なる瞬間になっている。
まさか2Dアクションゲームでここまで気持ちが高ぶる体験が出来るとは思わなかった。

海外を中心に何故Shovel Knightがここまで人気キャラクタとなったのかプレイするまでは謎だったが、クリアした今は理解できる。
数年前からゲームの物語にもナラティブなんてワードが使われ始めまして。
まぁその言葉の定義がどうこうよりも、昨今のゲームのトレンドとして、いかにプレイヤーにゲーム内の物語を自分の体験として感じてもらうかというテクニックが様々な形で見られるようになりました。

それが本作では、数万字に及ぶスクリプトでも無く、かつて見たことの無い程のキレイな映像でも無く、豊富な選択肢でも無く、込み入ったストーリーでも無く。
むしろベタ中のベタな物語の中で、何度も世界や姫を救い出してきた我々にはもう見飽きてしまった展開にしか感じられないような物をたった一つの遊ばせ方でここまでプレイヤーに感情移入させ、Shovel Knightの物語をプレイヤーへと繋げたテクニックは唸る他ない。
またそれによって、子供の頃にゲームをクリアし感動した時の気持ちすらもこのゲームは蘇らす事に成功している。だからこそShovbel Knightがプレイヤー一人一人の中で特別な存在となり得たのだろう。

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2013年にDaft Punkがリリースしたアルバム『Random Access Memories』は、彼らが少年時代に夢中になったサウンドやアーティストをもう一度現代的にアレンジした作品として世界中を席巻しました。
で、『Shovel Knight』はまさにレトロゲーマーにとっての『Random Access Memories』のような作品で、オマージュではあるが過去のゲームの様々な要素が入り混じり、一つ間違えばただの模倣で終わりがちな2Dアクションゲームをキチンと現代的な物として消化し、なによりも先に進めれば進める程に製作者のゲームに対する愛情、それは隠しアイテムの位置一つとっても、怪しげで何かありそうだと思わせるマップ構成の奥には必ず何かが用意されているという期待を裏切らない細やかな優しさがふんだんに盛り込まれた作品でした。

本作を制作したYacht Club Gamesは2016年中はまだ本作のアップデートに注力していくようですが、早くも次回作が楽しみ。
posted by murutori at 00:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする