XBOX360『End of Eternity』
約60時間でクリア。
ブログ等でゲーム話を書いてる方の中で、その評価や体験などの語り口がユニークなので以前から信頼しているゲーマーの方々が居るのですが、一度始めたゲームは最後までプレイするスタイルの方ばかりの中で、その中の一人の方が序盤の部分でコレはダメだと切り捨てたのがずっと印象に深く残ってて。(その方はリンク等を嫌う方なので、リンク・引用等が出来ませんが)
始めてみたら、確かにこの序盤はキツイ。
ここまで掴みが弱いと言うか、序盤から頭に疑問しか浮かばないゲームも珍しい。
まずオリジナリティが溢れすぎている戦闘システム。このシステムを言葉で説明する事が不可能。
大まかに区分けするのであれば、セミアクティブタイムバトルと言った辺りなのだろうが、これに類似したシステムが存在しないので、他のタイトルを出して○○っぽいという例えを出す事も不可能。
システムを理解しないと、最初の街の周りに出現するザコ敵を倒す事すら不可能。
ゲーム内にチュートリアルは存在するのだが、順番に分かれている課題に関して説明があるのには絵にあわせてテキストが書かれた画像のみ。
ひと通りチュートリアルをこなした後で、頭の中に浮かぶのは「?」のみ。
自分がなんとか戦闘のコツを掴み、全ての要素を理解出来たのが開始から6時間以上経った辺りと、自分の頭の悪さを棚に上げるとしても、この負荷の高さとチュートリアルの出来の悪さはなんなのだろうか。
このゲームのデモが配信された当時に少しプレイしてみた事があり、その時もまったく意味が分からず早々にデモのデータを消し去ったのだが、それもそのはずだと製品版を買った後に納得。
戦闘だけで無く、マップ移動も独特。
マップ状はヘックスで埋め尽くされており、その上をプレイヤーが移動する(移動はヘックス単位では無く自由に動ける)のだが、白く塗られたヘックスは侵入不可。
白く塗られたヘックスを移動可能状態にするには、敵がドロップする4つのヘックスを組み合わせた解除ヘックスが必要で、それをプレイヤーが白いヘックスに合わせロック解除していく事で移動可能な地域が増えていく仕組み。
それも、ロック解除のヘックスは形状が複数用意されていて、マップに上手く適合する形状が無いと…などとこれもまた面倒で独特過ぎる。
ではストーリーくらいは単純なのだろうかといえば、ストーリーもまた独特。
ゲーム開始直後にムービーが流れるのだが、なんの説明も無く高所から飛び降り自殺を図る少女と、それを見て助けに入る少年。
少年は街の上部にかけてあったロープに飛びつき振り子のように使い、少女を抱きとめる事に成功する。が、ロープは二人の重みに耐え切れず切れてしまう。
二人が落下していく中、気絶していた少女が意識を取り戻し、「私、生きてる」と驚きの声をあげるのだが、それに対し少年は「これから死ぬんだよ」と。
その一連のムービーが終わった後、何事も無かったように同じ部屋で暮らす少女と少年。その二人の見守り役のような青年との生活のシーンに切り替わり、そこでこの3人は街で傭兵などをこなす便利屋を生業としているというような会話が交わされる。
意味がわからない。
この二人が落ちた後どうなったのか。そもそも最初に見せられたムービーは過去の出来事では無く、これから起きる出来事なのかどうか。大体この青年は誰だよ。
この状態でゲームを進めなくてはならない。
ゲームを開始すると、まずストーリーも意味不明。戦闘システムも難しい。マップ移動すらままならない。掴みが弱い所の話じゃない。
いくら最初の掴みが弱くても、多くのプレイヤーは買ったゲームのエンディングを見るまで根気よく付き合ってくれるとでも思っているのだろうか。
まぁそんな事もグチグチと言いたくなる序盤だけれども、我慢強くプレイし続けていると、これがまた一つ一つの要素を理解していく度にどんどんとおもしろくなる。
戦闘システムは、キャラクタのレベルだけではなく、武器のカスタマイズや装備、戦闘中もいかに遮蔽物を使って戦闘を有利進めるかなど、一手一手を考えつつ動かす楽しさ。
そして、戦闘での様々な要素が相まった比類無き爽快感(SEも素晴らしい)。
ストーリーもキャラクタそれぞれの過去が徐々に明らかになっていくと共に、愛着の湧いていくキャラクタばかり。操作キャラクタが終始3人という事と、敵対する側も登場人物の数が限られている事もあり、一人一人のキャラクタが立っているし、カットシーンのセリフも簡潔でダラダラとした印象が無い。
ただ残念ながら、ゲームをクリアしても謎となる部分は多く残るし、それにプレイヤーへの物語の理解度や没入感を高める為にもっと見せても良いシーンがあったかと思う。
例えば、ゲーム最初の落下した二人のシーンもそうで、ストーリーを進めていくと何故落ちた二人が助かったのかがある程度想像出来るのだが、その部分は明確に描写されない。
このように重要なシーンなどはあえてカットしてプレイヤーの想像にまかせてある部分が多く、その作りは演出としてはアリなのだが少し消化不良な感じは残る。
それとは逆に手の込み過ぎているコメディシーンが多く存在したりと、そのアンバランスさがまたこのゲームの持つ雰囲気を独特にさせているのも確かなのだが。
何かと細々としたミニゲーム的な要素やキャラクタ同士の長い会話などは一切無く、戦闘しかする事が無いほど戦闘に特化してある筋肉質な作りは、ちょっと他では味わえないゲーム。
ここまで斬新なシステムが大きな破綻も見せず(意図的に救済措置的な抜け穴を用意してある気はするが)まとまった作りになっていのは素晴らしい。
360・PS3でプレイしたJRPGの中でも特別印象深かったし、ここまで熱中して遊び、ここまでキャラクタに好感を持つゲームも無かった。いやぁおもしろかったね。



